2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロジウム触媒による炭素-炭素結合の生成及び開裂反応を利用した新規合成反応の開発
Project/Area Number |
08J01340
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高津 慶士 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 触媒的不斉合成 / 銅触媒 / 1,4-付加反応 / 有機ホウ素反応剤 / カルベン配位子 |
Research Abstract |
1.研究目的 遷移金属触媒による炭素-炭素結合の生成及び開裂反応を利用した新規反応の開発を目指して研究を行った。 2.研究成果 (1)研究計画とその意義 銅触媒による炭素-炭素結合形成反応では従来、グリニャール反応剤を代表とした反応性の高い有機金属反応剤を用いる反応が主流である。それに対して反応性が低く取り扱いしやすい有機ホウ素反応剤を用いる例はまだ少なく、その開発は魅力的な目標である。 (1)研究成果 銅触媒と塩基の存在下、有機ボロン酸エステルがアルキリデンシアノ酢酸エステルに対して1,4-付加することを見いだした。当量反応実験を行うことにより反応中間体の単離・同定に成功し触媒サイクルを明らかにした。さらに、光学活性カルベン配位子を用いることにより反応の不斉化にも成功しており、最高で95%eeという高い立体選択性を発現することにも成功した。
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