2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01412
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大嶌 竜午 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 理科教育学 / 実験活動 / 変数 |
Research Abstract |
本研究は、日本の理科授業において生徒が見通しを持って主体的に実験活動に取り組んでいるわけではないという現状を憂慮し、それを克服するための理科実験活動に関する教授ストラテジーを提案することを目的としている。本年度は、昨年の研究成果をさらに深めるために、研究計画にある「授業実践とその評価」ではなく、実験活動の改善にとって不可欠な変数の指導法の分析に焦点化し、その特質として大きく以下の3点を明らかにした。 1変数の指導法はステップ化されており、4つのステップがあることが判明した。第一のステップは、変数や因果関係への気づきの段階である。第二のステップは、要因や観察・測定可能なことを考え出させる段階である。第三のステップは、変数概念の理解の段階である。第四の段階は、変数の評価の段階である。これらのステップは、変数同定や制御の必要性を実感させることから、変数同定や制御を習得させることへと、指導法の深化が見られる。 2変数に関連した用語は、例えば「独立変数」や「従属変数」といった専門用語によってではなく、それを説明する平易な文章によって表現されていた。このことは、子どもらがそれらの用語に対して困難を抱いているからであり、その障害を乗り越えるためになされる。 3変数指導は探究活動の多様な種類や内容領域においてなされており、変数概念を用いて様々な問いに対応できる能力を育成するという意図が見られた。比較的変数制御を行いやすい物理領域だけではなく、逆に制御しにくい生物領域で変数の指導を行うことで、変数へ焦点化させて指導が行うことが可能となっていた。
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Research Products
(1 results)