2009 Fiscal Year Annual Research Report
赤道環電流の発達およびプラズマ輸送過程に関する研究:複数衛星を用いた同時観測
Project/Area Number |
08J01417
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 友督 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サブストーム / プラズマシート |
Research Abstract |
地球磁気圏プラズマシートの酸素イオン分布とサブストーム発生位置との関係についての研究を論文にまとめ、学会誌(Journal of Geophysical Research)に投稿、受理された。磁気圏のエネルギー解放現象であるサブストームの発生機構についてはこれまで数多くの研究がなされてきたが、いまだ統一的な見解は得られていない。本研究ではプラズマシートの酸素イオンがサブストーム発生に影響を与えているのではないかという視点から、議論した。Geotail衛星小EPIC観測器によるプラズマデータを統計解析した結果、酸素イオンがサブストーム発生に影響を与えていることが分かった。統計解析によって酸素イオンによるサブストーム発生への影響を示した研究は本研究が初めてである。 また、リングカレントイオンの起源と発達過程についての研究も行った。磁気擾乱時にリングカレントを担うイオンが20-200keVもの高エネルギーに達する有力な原因の一つとして、プラズマシートで一旦加速されたイオンがリングカレント領域に輸送されている可能性が考えられてきた。この説について調べるため本研究では、プラズマシートに長く滞在しているGeotail衛星と、リングカレント領域を直接観測しているCluster衛星による粒子データを用い、この2つのデータ期間が重なっていることを利用して統計解析を行った。その結果、輸送ではなく、リングカレント内部での加熱によって発達が起こる可能性が示唆された。以上の研究結果を国内学会で3回発表した。
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Research Products
(4 results)