2010 Fiscal Year Annual Research Report
インピーダンス3次元イメージング法による新しい呼吸器疾患診断装置の開発と臨床応用
Project/Area Number |
08J01423
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大石 淳一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インパルスオシレーション / 換気力学 / 慢性閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに開発を完了しているインパルスオシレーション法によるヒトの呼吸インピーダンス測定装置の臨床応用を中心に、解析用ソフトウェアなどを購入し研究を進めた。近年罹患率が増大している慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるこれまでの測定データを中心に解析を進め、重症度別に症例を分類することで、疾患の重症度に関する以下の知見を得た。COPDが軽症から重症になる程、呼吸インピーダンスの成分であるレジスタンス(Rrs)は上昇し、リアクタンス(Xrs)が陰性化する。呼吸周期内の解析(吸気中と呼気中を比較した場合)では、呼気中にそれらの特性が強く出るが、レジスタンスおよびリアクタンスの両者の変化が必ずしも一致しない例が多くみられ、COPDの病型などとの関連が注目された。このことから、CTスキャン結果によるPhenotype分類を試みたが、重症症例において巨大ブラが認められる以外は特に目立った所見は見られなかった。本研究で開発した呼吸インピーダンス測定装置はCOPDの重症度評価に有用であるが、今後はレジスタンスとリアクタンスそれぞれの呼吸周期内の変動を特徴づける因子を同定する必要があると結論づけ、これらの結果を学会で発表し、研究論文としてまとめた(投稿中)。研究の結果、3次元イメージングによる呼吸機能評価を可能とする装置を開発し、臨床応用に関するいくつかの知見を得ることができた。今後は各種呼吸器疾患の分類やスクリーニング、治療効果の判定などのツールとなるものと期待できる。
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Research Products
(1 results)