2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01464
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒磯 裕平 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 構造生物学 / X線結晶構造解析 / 遺伝暗号 / 翻訳 / ヤレノシステイン / tRNA |
Research Abstract |
tRNAに依存したセレノシステイン合成の構造的基盤を解明するためにSepSecS/tRNA^<Sec>二者複合体のX線結晶構造解析を試みたところ、得られた結晶において3.8Åの回折データの収集に成功した。しかし、回折データのモザイク性が著しく高く、結晶の再現性が低かったため、構造解析を進めることは困難であった。そこで、異なる晶系での結晶化条件を探索するため、結晶化に用いるSepSecS及びtRNA^<Sec>の生物種の検討、複合体再構成及び結晶化における反応温度の検討、及びSepSecSに付加された6-Hisタグの除去等を試みたところ、今までとは全く異なる条件で予備的な結晶が得られた。今後は結晶化条件の最適化を行い、X線結晶構造解析によりSepSecS/tRNA^<Sec>二者複合体の構造決定を行う。SepSecSの一段階前の反応を触媒するPSTKに関しては、リン酸基の供与体であるATPの非水解アナログAMPPNPとPSTKの共結晶化に成功し、セレノメチオニン置換体の結晶を用いた多波長異常分散法により1.8Åの高分解能にてPSTKの立体構造を決定した。得られた結晶構造の活性部位にはAMPPNP及びマグネシウムイオンが結合しており、基質であるSer-tRNASecのA76-Serとの結合モデルからPSTKによるSerのリン酸化の分子機構が示唆された。また、PSTKは特徴的な2量体構造をとることでtRNA^<Sec>が結合するための深い溝を形成していることが明らかになり、PSTKがアクセプターステムの長さによってtRNA^<Sec>を選択的に認識していることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)