2009 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラ感染におけるToll-like receptors依存性生体防御機構の解析
Project/Area Number |
08J01477
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河本 新平 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | IgA / バイエル板 / 胚中心 / 制御性T細胞 / 濾胞性ヘルパーT細胞 |
Research Abstract |
濾胞性ヘルパーT細胞は胚中心内部に存在するT細胞であり、B細胞を補助することでパイエル板における腸管IgA誘導に積極的に関与していることが示唆されているものの、このT細胞に関しては未だに不明な点が多い。我々はこれまでに、免疫反応に抑制的に働くと考えられてきた制御性T細胞が、腸管特異的に濾胞性ヘルパーT細胞に分化し腸管IgA産生に関与していることを明らかにしてきた。そこで、この興味深い現象のメカニズムを解明するため、まず制御性T細胞の中でもどのようなサブセットがより濾胞性ヘルパーT細胞に分化するのかを検討することとした。制御性T細胞には、主に2つのサブセットが存在すると考えられている。すなわち、胸腺において分化した内在性の制御性T細胞と常に抗原にさらされている腸管などの末梢においてナイーブT細胞より分化誘導される誘導性の制御性T細胞である。そこで、胸腺及び腸管より単離した制御性T細胞を、T細胞を持たないCD3ε欠損マウスに移入した。その結果、各組織におけるT細胞の分布及び移入した制御性T細胞のFoxp3の発現維持、またパイエル板における濾胞性ヘルパーT細胞への分化において両制御性T細胞間に違いが見られた。さらに、各組織由来の制御性T細胞の細胞動態を確認したところ、胸腺由来の制御性T細胞はさまざまな末梢リンパ組織に移動するのに対し、腸管由来の制御性T細胞は腸管へと移動する傾向が認められた。 以上の結果から、制御性T細胞の中でもより濾胞性ヘルパーT細胞に分化することができるサブセットが存在すること、さらにそれぞれのサブセットでは異なる細胞動態をもつことが示された。
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