2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01481
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石徹白 晃治 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 重力波 / 超伝導磁気浮上 / パルサー / ねじれ振り子 |
Research Abstract |
本年度は、前半に超伝導磁気浮上型ねじれアンテナのロトタイプを開発し、その有効性-実現可能性などを実験的に検証した。その結果、試験質量を回転方向に対して非常に自由(ダンピング定数で1.2±0.7×10^<-8>Nms/rad,バネ定数3.6±2.1×10^<-7>Nm/radで)に支持することに成功した。また、0.2Hzで2×10^<-9>1/rHzという重力波振幅等価雑音の実現にも成功した。この雑音レベルは、他の周波数帯域と比べると必ずしも良くないが、0.1-1Hz帯域では世界成功レベルである。さらに、年度後半に簡易観測運転を行い、観測データを用いて電波パルサーPSR J2144-3933起源の連続重力波と初期宇宙に起源を持つ原始重力波に対する上限値を評価した。特に、このパルサーは、最長の周期8.51秒を持ち、標準のパルサー理論を超える性質を持っている。このようなパルサー起源の重力波探索は、異常パルサーの研究の面からも興味深い。上限値評価の結果、パルサー起源の連続重力波の振幅に対して2.8×10^<-8>の頻度主義的上限値と8.4×10^<-10>のベイズ的な上限値を信頼度95%で得た。原始重力波に対しては、宇宙の臨界密度で規格化された重力波のエネルギ-密度Ωと規格化されたハッブル定数hに対してΩh<8.1x10^<17>の制限を信頼度95%で得た。これらの上限値は他の周波数帯域で既に得られた値と比較して、数桁大きい値であるが、0.1-1Hz帯域の制限は初めてのものであり、既存の上限値と相補的な情報を我々に与えてくれるものである。
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Research Products
(7 results)