2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01493
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 潤 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 変分法 / 楕円型方程式 / シュレディンガー方程式 |
Research Abstract |
シュレディンガー方程式に代表される非線型楕円型方程式に対して、一般的な非線型項のもとでの非自明解の存在問題を研究した。その中で、方程式が空間変数に依存しない場合と依存する場合それぞれについて、いくつかの非自明解の存在定理を得ることに成功した。これらの存在定理は、従来よりも幅広い種類の非線型項に対して適用できる、一般的な結果となっている。 まず方程式が空間変数に依存しない場合を扱った。既知の解の存在定理には、次元の違いによってギャップがあることが知られているが、本研究では、次元の違いに影響されない手法を用いることで、そのギャップを埋めることに成功した。あわせて、得られた解が最小エネルギー解であることや、また方程式が無限個の解をもつことなども示した。 また方程式が空間変数に依存しない場合の研究も行った。このときには、非自明解の存在問題はデリケートなものとなり、わずかな摂動でも解の存在に大きな影響を与えることが知られている。本研究では非線型項が漸近的にsubcriticalな指数をもつ冪関数に近づく場合や、非線型項が上に有界な場合に対して、一定の条件のもとで方程式が非自明解をもつことを示した。とくに従来の研究ではあまりカバーされていない、非線型項が負の無限大に発散するような場合での解の存在を示すことに成功した。これはdouble powerと呼ばれる非線型項をもつ方程式に適用することができ、応用の範囲は広いものと思われる。 現在、これらの研究を論文にまとめ、投稿の準備を行っているところである。
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Research Products
(2 results)