2010 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス酸化チタンの特異的な表面構造と水溶液中における光反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J01509
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 悦司 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アモルファス / 赤外吸収分光法 / In-situ測定 / 表面ラフニング / 電気化学 / TiO_2 |
Research Abstract |
これまで単結晶や多結晶のTiO_2に関しては、本多・藤嶋効果の発見から、非常に数多くの研究が行われてきた。一方、アモルファスTiO_2に関してはバルクに存在するダングリングボンドや構造欠陥などが、再結合中心として働いてしまうために不活性であると考えられ、その光電気化学特性について深く研究されることはなかった。しかし、表面構造化学の観点から見れば、必ずしもそうであるとは限らない。実際に申請者は作製条件を工夫することで、光水分解活性のあるアモルファスTiO_2の作製に成功している。本研究では、アモルファスと結晶との表面構造の違いが光触媒活性にどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的とする。 本年度は、前年度に引き続き、水溶液中でのIn-situ測定および光触媒活性の測定を行った。まず始めに前年度に構築した光電気化学測定条件下でのIn-situ全反射赤外分光システムを利用したが、残念ながら明確な結論には至らなかった。一方、アモルファス表面に類似した構造として、原子レベルで表面構造が乱れた(表面ラフニング)TiO_2と、原子レベルで平坦化したTiO_2単結晶との光電気化学特性の比較も行った。その結果、酸性水溶液中において、ラフニング表面の方が原子レベル平坦面に比べ、酸素発生電位が0.2V以上負であることを見出し、より高活性であることを明らかにした。この際、フラットバンド電位の変化はあまり観測されず、このことは表面構造の違いが大きく光触媒活性に寄与していることを示唆している。また、このような光触媒活性の違いは塩基性水溶液中では観測されず、電解液のpHにより光酸素発生反応プロセスが異なっていることも明らかにした。 以上のように、アモルファス構造に類似したラフニング表面においても光触媒活性の確かな向上が観測され、これまで考えられてきだような規定された表面よりも構造の乱れだ表面の方が光酸素発生反応に対して高活性であることを示した。
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Research Products
(3 results)