2010 Fiscal Year Annual Research Report
モダニティ論の観点から見た戦後ポーランド文化をめぐる社会学的研究
Project/Area Number |
08J01540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅原 祥 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポーランド / 社会主義 / モダニティ / 映画 / ユートピア / 近代 / ノヴァ・フータ |
Research Abstract |
本年度前半は、1950年代のポーランド・ドキュメンタリー映画の分析によって、当時の社会において社会主義のユートピア的プロジェクトが人々意識や想像にどのようにとらえられていたかを明らかにするという研究テーマを、『フォーラム現代社会学』への論文掲載という形で成果にした。この研究は、単にポーランドという-地域の映画史を論ずるものではなく、近代におけるユートピア的な想像力の重要性と、それが社会主義体制のポーランドで大々に与えた影響をじた意欲的なものてせある。 この、社会主義体制におけるユートピアのありかたと、それがそこに生きる人びとに対してどのような影響を与えたかというテーマをより深く探求するため、本年度後半からは、ポーランドのクラクフ市ノヴァ・フータ地区を対象とした調査・研究を行った。ノヴァ・フータは、ポーランドの社会主義体制下において「社会主義のユートピア都市」として計画・建設された都市であり、当時の体制側がどのようなユートピア像を目指し、また実際にそこに生きた人々がそれにどのように反応したかを検討する上で格好のフィールドである。この研究に関連して、本年度は9月約1ヶ月間の海外調査を行い、ノヴァ・フータでのフィールドワーク及び資料収集に励んだ。フィールドワークにおいては、主に社会主義時代から暮らす現地住民を対象に、十数人への聞き取り調査・インタビューを行う等、大きな成果を上げた。資料収集においても、ヤギェロン大学図書館をはじめとした現地図書館においで当時の雑誌記事・文献などを収集し、大きな成果を上げた。
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Research Products
(2 results)