2008 Fiscal Year Annual Research Report
系の全自由エネルギーに基づいた高分子からみあい系のモデリング
Project/Area Number |
08J01595
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀尾 和史 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高分子ダイナミクス / からみあい / スリップリンクモデル |
Research Abstract |
高分子濃厚系は「からみあい」という低分子系にない現象を示すため,分子ダイナミクスと系の静的構造を記述する双方の理論的枠組みを統合することは簡単でない.近年主流となっているスリップリンクモデルは,高分子の仮想三次元ネットワークのダイナミクスを考えるモデルである.しかしながら,多くのモデルは個々の高分子鎖の運動を仮想空間内の平均場中で記述しているため,高分子間の非結合相互作用は考慮されていない.もしくは現象論的な自由エネルギーに基づくモデルのため,熱力学的な記述は不完全であり,系の平衡構造は実現されない.そこで本研究課題では,高分子からみあい系の持つ自由エネルギーに注目し,分子ダイナミクスと系の静的構造を記述できる理論の構築を目的の1つとして研究を進めている.平成20年度は,線状高分子の均一系における自由エネルギーの理論構築を行い,シミュレーションを用いて理論を検討した.具体的には,高分子の三次元ネットワークモデルにおける分子鎖の弾性自由エネルギー,分子間のセグメント密度相互作用自由エネルギーを提案した.これらの自由エネルギーに基づいたシミュレーションを行った結果,これまで報告されている高分子の三次元ネットワークの平衡構造の統計性の理論と定性的に一致するネットワーク構造が再現された.これらの結果は,The XVth International Congress on Rheologyなどにおいて発表した。
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Research Products
(6 results)