Research Abstract |
●研究成果の公表● 平成21年度までに完成した,個々の孤立砂丘に関する流況推定方法について,国内外の学会での発表,及び学会誌への投稿を行った(現在査読中の段階)実験によって明らかになった,孤立砂丘の形態とその原因となるバイモーダルな流況との関係を,サハラ砂漠西部(西サハラ及びモーリタニア)の孤立砂丘に適用し,沿岸部から内陸へ向けて,季節風の角度変化と強度比が漸進的に変化しているという推定を得た.この推定結果は,当該地域に数ヶ所ある空港で記録された年間の風況データの変化と一致しており,本研究の推定が妥当なものであることを示している. ●貧砂状況の砂丘群の特徴の解明に向けて● 新たな段階として,複数の砂丘を含む砂丘群全体を扱う研究に着手した.単一の砂丘の時間スケールと比べ,砂丘群全体の動きはもう一つ長いスケールの現象を扱うことになる.本年度は,10月の増水によって,京都府南部を流れる木津川の河川敷に形成されたベッドフォーム群の観察や,海岸から上部陸棚まで,非常に広い範囲の海底地形を扱う造波水路実験を実施し,関連の学会で成果を発表した.前者は,風成の孤立砂丘群の水成のアナログ地形であり,後者の実験は,砂丘群と同様,多くのベッドフォームを内包するシステム全体を対象とするものであった。以上の研究を通じて,砂丘群を扱う際に重要となる要素として,ベッドフォーム群内の粒度変化とそれを形成するベッドフォームの粒径分別効果と,局所的な粒子の飽和度の変化のベッドフォームの分布への影響という2つの研究課題を得ることができた.
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