2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01616
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新田 泰文 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 一般化された複素構造 / T-duality / Hamiltonian action / 一般化された運動量写像 |
Research Abstract |
本研究の目的は、一般化された複素構造の幾何学及びT-dualityを複素幾何学的、シンプレクティック幾何学的な視点から調べ解明することである。本年度は群作用を持つ一般化された複素多様体について詳しく調べた。一般化された複素多様体が自由な群作用を持つ時そのTarget spaceにT-dualityが定義され、その推移はMarco GualtieriやGil Cavalcantiらによる先行研究によって非常によく理解されている。しかし、群作用が固定点を持つ場合を考えた途端にT-dualitvは定義を与えることさえ出来ず、理解する糸口を掴むことすら出来ない状況にある。そこで、今年度はHamilton的作用という特別な群作用について詳しく調べた。一般化された複素多様体がHamilton的作用持つ時は自然に運動量写像が定義されるため、群作用のもつ解析的な性質を詳しく調べることが出来る。その解析的な情報を通してT-dualityの理解を得る手掛かりが得られると期待することが出来る。その結果、一般化された複素多様体がHamilton的な群作用を持つときに、その作用に関する運動量写像について凸性が成り立つことを証明することが出来た。これより、一般化された複素多様体を凸多面体という非常に扱いやすい対象に帰着することが出来るようになり、一般化された複素多様体の解析的性質を調べる土台を手に入れたということが出来る。これらの結果は"Convexity properties of generalized moment maps"としてJournal of the Mathematical Society of Japanに掲載が決定している。この結果は現在プレプリントサーバーであるArxiv.orgにおいて確認することができる。
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Research Products
(1 results)