2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01624
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡辺 究 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 等質多様体 / 代数群 / 群作用 / 偏極多様体 / 有理曲線 / 接束 / ファノ多様体 |
Research Abstract |
本年度は主に以下の二つのテーマに関する研究を行った. 1.群多様体の作用をもつ多様体の構造研究今まで得られていた結果を修正し以下の結果を得た.単純線型代数群Gの非自明な作用を持つ非特異射影代数多様体の次元は,Gのディンキン型にのみ依存する自然数r_Gを下限にもつ.多様体の次元が下限に等しいとき,多様体は全て等質多様体であり分類が知られている.そこで,次元がr_G+1である多様体の分類問題が自然に生じる.Gが古典型の場合にはM.Andreatta氏により多様体の分類が得られているが,それ以外(例外型)の場合には研究がなされていなかった.そこで,例外型代数群Gの作用を持ち,次元がr_G+1である多様体の構造研究を行った.具体的には,端射線の収縮射やG軌道の考察と,昨年得た等質多様体を豊富な因子として含む偏極多様体の分類を応用することにより分類を得た.結果としてn=r_G+1なる単純代数群の作用をもつ多様体の完全な分類が得られた.この内容はPacific Journal of Mathematicsに掲載された.アナロジーとして,アーベル多様体の作用をもつ多様体等についても考察を行った. 2.ファノ多様体とその上の有理曲線の研究ファノ多様体上のある性質をもつ有理曲線の接ベクトルのパラメータ空間はVMRTとよばれる.J.M.Hwang氏やN.Mok氏等により,VMRTとピカール数が1のファノ多様体の性質の関連性が調べられている.特に,私の研究課題である接束による等質多様体の特徴づけに関して,VMRTを使うことでいくつかの結果が知られている.そこで,それらの結果を学び理解を深めた.また,VMRTの応用として,ファノ多様体上の一般の二点を結ぶ有理曲線のチェインの最小次数について研究を行っている.
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Research Products
(5 results)