2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01624
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡辺 究 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ファノ多様体 / 有理曲線 / variety of minimal rational tangents / 等質多様体 / セベリ多様体 |
Research Abstract |
豊富な反標準因子をもつ非特異代数多様体をファノ多様体と呼ぶ.ファノ多様体は極小モデルプログラムの出力の一つであると同時に,射影幾何学的にも豊富な性質を有しており重要な対象である.ファノ多様体の研究において有理曲線の鎖は中心的な役割を担ってきた.特に,Kollar・宮岡・森やNadelにより,有理曲線の鎖を用いてファノ多様体の変形類の有界性が示されている.以下,ピカール数1のn次元ファノ多様体Xに対し,そのピカール群の豊富な生成元をH,X上の有理曲線のパラメーター空間の正規化の既約成分のうち,Xを被覆し反標準次数が最小のもの(極小有理成分)をKとかく.本年度はX上の一般の2点を通るK有理曲線の鎖の長さの最小値(以下,簡単に「length」と呼ぶ)に関する考察を行い,主に次の二つの結果を得た.それぞれ学術雑誌に投稿中である. 1.具体例に対する考察Xの次元が5以下の場合,ファノ余指数が3以下の場合などにlengthを求めた.その応用として,5次元ファノ多様体の反標準次数の上限の評価を得た.また,ファノ指数が2n/3かつHが非常に豊富なファノ多様体に対し,lengthといくつかの射影幾何学的性質との関係を指摘した.とりわけ,lengthが2と異なるものを分類し,それらと等質多様体の一種であるセベリ多様体との関連を指摘した. 2.Lengthの上限と下限X上の一般の点を通るK曲線の族が既約な場合にlengthの考察を行った.特に,lengthの上限と下限を求め,7次元以下の場合のファノ多様体のlengthの考察を行った.
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Research Products
(2 results)