2008 Fiscal Year Annual Research Report
サポートベクターマシンによる社会科学データ分析上の諸問題に関する研究
Project/Area Number |
08J01691
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅原 武志 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 名義尺度 / 社会科学データ / 情報量基準 / エントロピー / 汎化誤差 |
Research Abstract |
本年度の主要な研究テーマは、サポートベクターマシンと情報量との関連性に関するものであった。特に名義尺度に割り当てる値と汎化誤差の関係に着目し、適切な情報量を模索し汎化誤差を最小とするような名義尺度の値を定めることを研究目標とした。 適当な値を割り当てて行った二連続変数、一名義尺度の数値実験では、名義尺度に割り当てる値に関する最適値が存在することが示唆された。この結果を踏まえ、情報量基準を用いて最適な値を探索することを目指した。 筆者らがまず着目したのは、エントロピーとモデルの複雑性に関する問題である。 古くから。赤池情報量基準(AIC)のようにエントロピーにモデルの複雑性に関するペナルティ項を加えた情報量を作成するという手法はよく採用されている。しかし、サポートベクターマシンの場合には、モデルの複雑性を表す項の定義が難しく、古典的な情報量基準をそのまま用いることはできない。先行研究でもベイズ的アプローチを用いてサポートベクターマシンに関する情報量は提案しているものの、計算速度の面から実用には程遠い。 そこで、まず数値シミュレーションによってモデルの複雑性の値を概算し、モデルのペナルティ項を定義することを試みた。 実験の結果、極めて良い近似が得られ、また情報量を高速に計算することに成功した。 また、変数選択の問題にも応用し、ここでも前述の情報量を用いて不要な変数を適切に消去することに成功し、心理統計へのサポートベクターマシン導入を進めることができた。
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Research Products
(2 results)