2009 Fiscal Year Annual Research Report
サポートベクターマシンによる社会科学データ分析上の諸問題に関する研究
Project/Area Number |
08J01691
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅原 武志 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サポートベクターマシン判別 / 社会科学データ / 情報量基準 / 変数選択 |
Research Abstract |
昨年度の研究成果であるサポートベクターマシンにおける情報量基準の理論的な考察およびその応用可能性について研究を行った。 まずモデルの複雑性を推定する有効パラメータ数という視点から、提案した情報量基準の妥当性について考察し、数値実験を用いてその妥当性について検証した。それ自身がモデルの複雑性を規定するパラメータが存在するため、サポートベクターマシンのモデルの複雑性は単純にパラメータ数によって決定することができない。そこで、機械学習の分野で用いられる有効パラメータ数によってモデルの複雑性を規定し、古典的な情報量基準の知見からのモデル選択を試みた。数値実験の結果、提案した情報量基準によって最適なモデルが選択されることが示された。 加えて、先行研究で提唱されたRBFカーネルにおいてハイパーパラメータσの値を各説明変数ごとに重みづけする手法を採用し、その重みを提案した情報量基準によって最適化する手法を提案した。実データの解析によってこの手法の有効性を検証したところ、汎化誤差の値を劇的に改良することに成功した。 サポートベクターマシンにおいては基底関数を陽に求めることは不可能であり、変数選択によって最適なモデルを探索することが困難であった。しかし提案された手法を用いることで各説明変数Xの重みを捉えることが可能になり、変数選択による最適なモデル選択および分析結果の考察が容易になった。 社会科学データの分析においては原因と結果の関係が不明瞭なことが多々あり、モデル選択という問題の占める比重は大きい。今年度の研究によってサポートベクターマシン判別による社会科学データ分析の可能性が示された。
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Research Products
(2 results)