2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星データを用いた磁気嵐におけるオーロラ粒子降り込みの研究
Project/Area Number |
08J01714
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 章光 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 磁気圏 / 電離圏 / オーロラ粒子 / 磁気嵐 / サブストーム / 人工衛星 / 地上磁場変動 |
Research Abstract |
太陽活動の影響によって磁気嵐が発生すると、莫大な太陽風エネルギーが磁気圏を介し電離圏に流入する。このエネルギー流入過程を解明するためには、磁気嵐時のオーロラ粒子の加速・加熱過程について調べることが重要である。本年度は、磁気嵐中に見られるオーロラ電子の降り込み現象"broadband electrons(BBEs)"について詳細な解析を行った。BBEsは、オーロラオーバル中の低緯度側において広いエネルギー範囲(50eV-30keV)にわたって降り込み電子が増大する現象である。まず、2004年7月25日の磁気嵐中にFAST衛星が観測したBBEsについて調査した。BBEs発生時、Double Star(DS)衛星は、FAST衛星とほぼ同じ磁気地方時、地表面から4.7R_Eの磁気赤道面付近を飛翔していた。二つの衛星の観測データを比較すると、BBEsの高エネルギー電子は磁気赤道面付近で加熱され、BBEsの低エネルギー成分はDS衛星とFAST衛星の間で沿磁力線方向に加速されたことが示された。それらの電子加速・加熱は磁気嵐中のサブストームオンセット直後に起きている事も、DS衛星の磁場データから示唆された。また、2005年5月15日にFAST衛星によって観測されたBBEsについては、IMAGE衛星によって得られたグローバルなオーロラ画像を用いることで、オンセットとの時間関係と、BBEsの降り込み領域について初めて詳細に調べることができた。BBEsに対応するオーロラの発光領域は、オンセット後から約10分間増光のあった、磁気緯度で10度以内かつ磁気地方時2時間以内の局所的な領域であることが明らかになった。
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