2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01719
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 浩平 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オーキシン / 蛋白質分解系 / TIR1 |
Research Abstract |
申請者は前年、出芽酵母において植物ホルモン・オーキシンの受容体であるTIR1を発現させ、オーキシン依存的に分解タグ(aid tag)を付加した特定のタンパク質を速やかかつ高効率に除去するオーキシン依存的デグロン法(AID法)を開発した。酵母で開発したAID法は低温(24℃)では効率よく作用したが高温(37℃)では標的タンパク質の分解が不十分であった。そのため、申請者はイネのTIR1を用いることによって、高温においても効率よくタンパク質の分解を引き起こせる新たなシステムを構築した。このシステムを動物の培養細胞に導入することができるかを確認するため、イネのTIR1と標的となるGFP-aidを様々な動物の培養細胞に共発現させたところ、オーキシン依存的にGFP-aidの減少が確認された。この結果から動物の培養細胞においてもオーキシンデグロン法が有効であることが示唆された。さらに293細胞においてイネTIR1/GFP-aid安定発現株を作製したところ、オーキシン添加によって、標的タンパク質の量を90分という短時間の間に3%まで減少させることができることが明らかとなった。また添加するオーキシンの量を調節することによってタンパク質の発現量を調節することができることも明らかとなった。以上の結果から動物の培養細胞においてAID法が有効であることが確認された。今後、この方法を用いて遺伝学的手法を用いる事のできる細胞を使用して内在性の因子をノックダウンした際に適切な表現型を得ることができるかを解析していきたい。
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Research Products
(1 results)