2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01719
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 浩平 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | TIR1 / Auxin / AUX / IAA / knockdown / DT40 |
Research Abstract |
AID法は植物におけるオーキシン受容体TIR1を出芽酵母細胞内で発現させることでSCF^<TIR1>と呼ばれるE3ユビキチンライゲースを構築し、分解標識となるaidを付加したタンパク質をオーキシン依存的に速やかにポリユビキチン化し、分解する系である。私は昨年度この方法を動物の培養細胞に導入することに成功した。そのため、動物の培養細胞においてAID法によって必須因子を細胞内から除去した際に、細胞がその因子の細胞内機能を反映した表現型を示すかを確認するため、細胞分裂に必須なセントロメアタンパク質であるCENP-Hの発現をAID法によって制御することのできるDT40細胞(CENP-H-Caid)を作製した。この株においてaidを付加したCENP-Hはオーキシン添加によって細胞内で速やかに分解され、蛍光抗体法によりセントロメア領域に局在しているCENP-Hもオーキシン添加後30分でほぼ完全に除去されていることが明らかとなった。また、このCENP-H-Caid株はオーキシン添加直後から細胞周期がM期へ蓄積しはじめ、12時間後にはほぼすべての細胞がM期に蓄積している様子が観察された。これらの結果はAID法が動物細胞で標的タンパク質の急激な除去により、表現型を速やかに誘導することが可能であることを示している。既存のテトラサイクリンによるCENP-H転写制御株ではセントロメア領域からCENP-Hを完全に除去し、表現型が現れるまで24時間以上かかることを考慮すると、AID法は既存の方法と比べて、表現型を得るまでにかかる時間を大幅に短縮することができ、動物の培養細胞においても有用な遺伝学的解析ツールとなることが期待される
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Research Products
(2 results)