2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓標的型siRNA搭載多機能性ナノ構造体による二型糖尿病関連遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
08J01739
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 泰弘 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 2型糖尿病 / DNAマイクロアレイ / 肝臓 / デリバリーシステム / siRNA |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、マイクロアレイ実験によりスクリーニングされた2型糖尿病関連候補遺伝子を、肝臓標的型siRNA搭載多機能性ナノ構造体を用いてin vivo機能解析することである。2型糖尿病の原因遺伝子は未だに特定されておらず、新規な2型糖尿病関連候補遺伝子群を探索することは、2型糖尿病の発症メカニズムを解明する上でも非常に重要な研究である。そして肝臓への核酸送達能力が高い人工キャリアを構築することは、単に遺伝子の機能解析を行なうツールだけではなく、遺伝子治療にも応用可能なシステムであり、両者の研究の融合はゲノム創薬を実現する上で極めて重要な研究といえる。 本年度は、2型糖尿病関連候補遺伝子群の探索、肝臓標的型デリバリーシステムの構築に関して研究を実施した。前者に関しては、2型糖尿病モデル動物であるkkAyマウスと、正常モデルであるC57BL/6Jマウスの肝臓を用いてDNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行なった。約4.1万遺伝子から血糖値、体重と相関して遺伝子の発現量が増大する1遺伝子に着目し、この遺伝子が十分にノックダウンさせる最適なsiRNA配列を評価した。後者に関しては、肝臓標的のモデルリガンドとしてGalactoseを修飾liposomeと、Galactose未修飾liposomeを用いて肝臓への移行性を肝臓組織切片による顕微鏡観察により評価した。高投与量の場合はGalactose修飾の有無に関わらず肝臓に到達していたが、低投与量の場合はGalactose修飾liposomeの方が肝臓に多く到達していた。そこでsiRNAを封入したMENDを作成して肝臓でのノックダウン効果を評価したところ、コントロールと比べて約35%のノックダウン効果が認められた。
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