2008 Fiscal Year Annual Research Report
多糖結合ドメインを付加したキチナーゼおよびβ-1,3-グルカナーゼの性質検討
Project/Area Number |
08J01775
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小泉 直也 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | キチナーゼ / β-1,3-グルカナーゼ / 多糖結合ドメイン / キメラ酵素 / キチン / β-1,3-グルカン / 抗真菌活性 |
Research Abstract |
好アルカリ性放線菌Nocardiopsis sp.F96株由来のキチナーゼ(ChiF1)およびβ-1,3-グルカナーゼ(BglF)の機能向上および抗真菌活性の向上を目的として、これらの多糖分解酵素に多糖結合ドメインを付加したキメラ酵素を構築し、酵素学的性質検討を行った。多糖結合ドメインとして、Bacillus sp.J813株由来キチナーゼのキチン結合ドメインおよびBacillus circulans IAM1165株由来β-1,3-グルカナーゼのグルカン結合ドメインを用いた。キチン結合ドメインを付加したChiF1は不溶性キチンへの結合能が向上し、それに伴い加水分解活性が向上した。一方、グルカン結合ドメインを付加したBglFは種々の不溶性グルカンに対する結合能が向上し、キチン結合ドメインを付加したBglFは不溶性キチンだけでなくβ-1,3-グルカンに対する結合能の向上もがみられた。さらにこれらのキメラ酵素は不溶性β-1,3-グルカン加水分解活性の向上がみられた。また、多糖結合ドメインを付加した一部のキメラ酵素においては耐熱性の向上や、反応至適pHの変化がみられた。 本研究で構築したこれらキメラ酵素の抗真菌活性を調べた結果、Trichoderma virideに対して抗真菌活性の向上がみられた。また、キチナーゼとβ-1,3-グルカナーゼを併用した際に抗真菌活性が相乗的に活性が高まることが示され、今後、本研究で構築したこれらキメラ酵素の抗真菌剤への応用が期待される。
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