2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しいイミダゾール誘導体の合成と機能性超分子への展開
Project/Area Number |
08J01788
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
焼山 佑美 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超分子集合体 / 水素結合相互作用 / 多重らせん構造 / オリゴイミダゾール類 |
Research Abstract |
1.新規なオリゴイミダゾール類の開発及びそれらを配位子とした各種金属錯体の合成とその性質 これまでに得られているイミダゾール4量体は、金属に配位することで二核三重らせん構造を形成し、非常に複雑な水素結合ネットワークを形成する。一方、新たに検討したその連結異性体は、同様のらせん構造を形成するが、水素結合様式が異なっているために、これまでとは全く異なった4非常に対称性の高い構造を構築することが分かった。また、より長鎖のイミダゾール6量体が、4量体と同様に多重らせん構造を形成し、それを基盤としたシート構造を構築することを解明した。鎖長を短くしたイミダゾール3量体では、錯体化により二核二重らせん構造を形成することを明らかにした。以上に示した多重らせん型錯体は、溶液中においても安定に存在することが各種測定により示唆されているが、そのうちいくつかはキラルカラムHPLCによって右巻き及び左巻きらせん構造を分割できるほどの安定性を有していることも明らかにした。以上の結果は、4量体を初めとしたオリゴイミダゾール類が、溶液中において安定ならせん構造を形成するための有利なビルディングブロックであり、かつそのらせん構造をネットワーク化することで機能を発現させるという我々の目的に、非常に合致した化合物群であることを如実に示している。 2.オリゴイミダゾール類に酸化還元活性部位を導入した化合物の合成 イミダゾール2量体を出発物質として用いることで、イミダゾール4量体を中心骨格にもち、酸化還元活性なテトラチアフルバレンを二つ有する新規な電子ドナー分子の合成に成功した。今後、この分子に関して金属錯体化を行い、三重らせん構造を基盤とする機能性超分子の開発を試み、固体状態において形成するネットワーク構造や、それに基づく電気的・磁気的・光学的挙動について、各種測定により詳細に評価したい。
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Research Products
(12 results)