2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01827
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 敏之 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | hnRNP K / RBM42 / RNA結合タンパク質 / ストレス応答 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体維持機構としてのストレス応答におけるRNA結合タンパク質hnRNP Kの機能を解析することである。本研究によりhnRNP Kの新たな結合タンパク質としてRBM42を見出した。さらに、これらのタンパク質がストレス条件下では通常とは異なる局在を示すことが明らかになった。このことから、これらのタンパク質がストレス時に何らかの働きをすることが予想された。ストレス時における細胞への影響について検討を行うために細胞内のATP量の測定を行った。その結果、通常の細胞では、ストレス源を取り除くと速やかに細胞内のATP量が回復するのに対して、hnRNP Kの機能を抑制した細胞では、細胞内ATP量の回復に遅れが生じることが観察された。一方、RBM42の機能を抑制した細胞は細胞内ATP量の回復に影響しなかった。しかし、RBM42単独の機能抑制では影響がなかったのが、hnRNP KとRBM42を両方とも抑制すると、hnRNP K単独での抑制による効果を増大させることが観察された。以上の結果から、hnRNP KおよびRBM42が細胞内ATP量の制御に関与することが示唆された。hnRNP Kについての解析はドイツのOstareck博士など海外の複数の研究室で進んでいるが、ストレス応答への関与についての研究はこれまで国内外で報告されていなかった。本研究によりhnRNP Kの新たな機能としてストレス時のATP量の制御が明らかになったことは非常に新規性が高い。
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Research Products
(2 results)