2008 Fiscal Year Annual Research Report
カルボニルイリドの1,3-双極付加環化反応を機軸とする多環式含酸素天然物の全合成
Project/Area Number |
08J01844
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅野 幸人 Hokkaido University, 大学院・生物科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロジウム(II)錯体触媒 / カルボニルイリド / 1,3-双極付加環化反応 / 含酸素多環式化合物 / プラテンシマイシン |
Research Abstract |
我々はこれまでにロジウム(II)触媒を用いるカルボニルイリドの分子内1,3-双極付加環化反応を鍵工程とするポリガロリドAおよびBの全合成を達成している。本年度は、ポリガロリド類の全合成研究により得られた知見をもとに、本反応の含酸素多環式化合物合成法としての有用性を示すべく脂肪酸合成酵素阻害活性を示す抗生物質プラテンシマイシンの合成研究を行い、以下の知見を得た。 カルボニルイリドの分子内1,3-双極付加環化反応を行い、プラテンシマイシンの形式合成を行った。まずは、文献既知のビシクロ化合物を出発原料として用い、立体選択的なアリル化など12工程の変換を行い環化前駆体となるα-ジアゾ-β-ケトエステルの合成を行った。鍵工程である付加環化反応に関しては種々検討を行った結果、1,2-ジクロロエタン溶媒中加熱還流下、電子求引基を配位子に持つRh_2(tfa)_4を用いて反応を行った後、水素化ホウ素ナトリウムで還元することで目的の四環性化合物を単離することができた。しかし、シクロプロパン化などの吹く反応を抑えることができず、低収率でしか目的物は得られなかった。得られた付加環化生成物からは酸素官能基の還元的な除去を行うことでNicolaouらにより報告されているプラテンシマイシンの合成中間体へと変換することができ、形式合成を達成した。
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Research Products
(2 results)