2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01852
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
窪田 杏子 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | うつ病 / 細胞間接着 / TRAP1 |
Research Abstract |
1、実験開始時に見出していたこと (1)TNFR1に結合するTRAP1の遺伝子上の1塩基多型がうつ病の発症と有意に相関する。 (2)TRAP1の発現を抑制した神経芽細胞腫では細胞の顕著なばらつきが観察される。 (3)TRAP1の発現抑制は、N-cadherinの発現のmRNAレベルでの抑制を招く。 2、平成20年度に新たに見出したこと (1)TRAP1発現抑制細胞の細胞間接着能はコントロールと比べて顕著に低下している。 (2)TRAP1発現抑制によって、TNFR1下流に存在が認められるSTAT3のリン酸化レベルが低下し、それがE2F1遺伝子のプロモーター活性の抑制を招いている。 (3)TRAP1発現抑制によってE2F1の発現量が減少した結果、N-カドヘリンのプロモーター活性が抑制され、その発現量が減少している。 (4)ラット海馬由来の神経初代培養細胞においてTRAP1の発現抑制によりスパインの形態に変化が生じる。 3、本研究の意義と重要性 (1)細胞生物学的意義;これまで非神経細胞においてはTNFR1下流シグナリングと接着因子の関連性が報告されていたが、今回新たに神経細胞においてもTNF-αが細胞間接着の制御に関与している可能性が見出された。 (2)未だ未解明である、うつ病の発症機序の解明への手がかりを得ることができた。
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