2009 Fiscal Year Annual Research Report
液液界面顕微SHG-CD計測法の開発と界面キラル分子集合反応の解析
Project/Area Number |
08J01892
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武智 英明 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液液界面 / キラリティ / 円二色性 / 直線二色性 / ポルフィリン |
Research Abstract |
液液界面選択的で正確なキラル測定法の確立を目指し、第二高調波発生円二色性(SHG-CD)装置の作成とその測定結果の解析法に関する研究を行った。 今年度の研究は、SHG-CD装置で測定するキラル試料として注目したtetra(4-pyridyl)porphineとCu(II)tetra(4-sulfonatophenyl)porphineの2つのポルフィリン分子のヘテロ集合体のCD測定を昨年から引き続き行った。昨年の研究からアミノ酸のD体とL体に対応したCDをヘテロ集合体が示すことがわかっていた。今年度では、アミノ酸の光学純度を変化させた場合のヘテロ集合体のCDを測定し、アミノ酸の光学純度とヘテロ集合体のCD強度が良い相関を示すことが確認した。昨年の研究からヘテロ集合体が直線二色性(LD)を示すこともわかっていたが、LDの値は小さくLDとCDの間に相関は見られなかった。以前の研究で報告したLDに由来する偽のCDシグナルではなく[1]、本研究では正しいCDを測定することができた。 正確なCD測定の方法として、Stokesベクトル測定とMueller行列解析にも注目した。CD分光器ではLD,直線複屈折(LB)の巨視的異方性を同時に測定できないが、StokesベクトルをMueller行列で解析することにより、CD,LD,円複屈折(CB),LB全てを決定することができる。東京インスツルメンツのストークスポラリメーター「Poxi-spectra」を用いて、Stokesベクトル測定の基礎検討を行った。しかし、市販のCD分光器での測定結果に比べ、ストークスポラリメーターで測定したCDのノイズは1桁以上大きく、液液界面に存在する微小なキラル物質を測定するのは函難であることが示唆された。 [1]H.Takechi et al., Langmuir, 24, 4722(2008).
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Research Products
(3 results)