2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドメダカ性決定遺伝子のポジショナルクローニング
Project/Area Number |
08J01897
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
竹花 佑介 National Institute for Basic Biology, バイオリソース研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | 性染色体 / 性決定遺伝子 / メダカ属 |
Research Abstract |
インドメダカの性決定様式はXX/XY型であり,性染色体はメダカ常染色体(連鎖群10)と相同である.本研究では,ポジショナルクローニング法によってインドメダカの性決定遺伝子を同定し,性決定機構の多様化メカニズムを明らかにすることを目的としている.BACクローンを用いた染色体歩行とショットガンシークエンスにより,昨年度までにX染色体,Y染色体それぞれについて性決定領域の塩基配列を決定し,X染色体における性決定領域は約320kb,Y染色体における性決定領域は約400kbであることを明らかにした.しかし,この領域内に性決定/性分化に関与することが知られている既知の遺伝子は認められなかった.本年度は,性決定領域を絞り込むため,さらに多数の個体を用いて連鎖解析を行った.その結果,複数の組み換え個体を得ることができ,性決定領域を約180kb(X染色体)および約260kb(Y染色体)の範囲に特定することができた.この領域はメダカに同祖領域が認められないため,これまでに知られていない新規の遺伝子が性決定に関与していると考えられる.そこで,性決定領域の最少コンティグを構成するBACクローンをすべて用いて遺伝子導入を行い,性転換能を有するクローンの特定を試みた.しかし,X染色体,Y染色体のどのクローンについても性転換個体を生じるトランスジェニック系統は得られなかった.ひとつのBACクローン中に性決定遺伝子が機能するのに必要な領域がすべて含まれていない可能性があるため,現在は重複する複数のBACクローンを用いて遺伝子導入を進めている.また,性決定領域だけでなく近傍の遺伝子についても発現解析を行うことによって,性決定時期の発現に雌雄差を示す遺伝子の探索も行う予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
竹花佑介
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Journal Title
第7章メダカの高精度系統地理マップをつくる.(淡水魚類地理の自然史)(渡辺勝敏・高橋洋編)(北海道大学出版会)
Pages: 105-122
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[Journal Article]2009
Author(s)
Takehana Y
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Journal Title
1.2 Phylogeny. In "Medaka. Biology, management, and experimental protocols"(Willey-Blackwell)
Pages: 3-9