2010 Fiscal Year Annual Research Report
インドメダカ性決定遺伝子のポジショナルクローニング
Project/Area Number |
08J01897
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
竹花 佑介 基礎生物学研究所, バイオリソース研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | 性染色体 / 性決定遺伝子 / メダカ属 |
Research Abstract |
インドメダカの性決定様式はXX/XY型であり,性染色体はメダカ常染色体(連鎖群10)と相同である.本研究では,ポジショナルクローニング法によってインドメダカの性決定遺伝子を同定し,性決定機構の多様化メカニズムを明らかにすることを目的としている.これまでに性決定遺伝子座の詳細な組換え地図作製,BACクローンを用いた染色体歩行,およびショットガンシークエンスにより,X染色体,Y染色体それぞれについて性決定領域の塩基配列を決定し,性決定領域を約140kb(X染色体)および約280kb(Y染色体)の範囲に特定した.この領域について遺伝子予測や比較ゲノム解析による遺伝子探索を行ったが,領域内に機能遺伝子は認められなかった.そこで,この領域をカバーするBACクローンをすべて用いて遺伝子導入実験を行い,性転換能を有するクローンの特定を試みた.その結果,性転換個体(XXオス)を生じるトランスジェニック系統を1系統得た.この系統に導入したBACクローンは性決定領域の境界をまたぐように位置し,性決定領域の外側に1つの遺伝子が存在した.そのため,この遺伝子が性決定遺伝子であり,その発現調節領域が性決定領域内に存在する可能性がある.また,近年メダカで初期精巣分化に関わる遺伝子としてGSDF遺伝子が同定された.そこで,インドメダカのGSDFを定量PCRによって解析したところ,受精後6日目からXY個体で高発現するこが明らかになり,インドメダカでも性分化に関与することが示唆された.従って,インドメダカの性決定遺伝子はGSDFの発現調節に関わると考えられる.
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Research Products
(4 results)