2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01902
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
升本 功樹 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 三次元多様体 / 双曲構造 / 双曲体積 / 基本群の表現 / デーン手術 / 絡み目 / 理想頂点 / PSL(2,C) |
Research Abstract |
三次元双曲錐多様体の退化の研究において表現の体積の研究は重要である。なぜならば、退化のタイプが一点につぶれる場合、それに対応する表現の体積は0となるからである。20年度の研究において表現の体積の曲面による切り貼りに関する公式が完成した。この公式を用いて本年度では当初の予定であった二橋結び目を特異集合としてもつ双曲錐多様体の退化に対応するPSL(2,C)表現の特徴付けを行いたい。 またとくに絡み目の補空間に特別な3点穴あき球面が埋め込まれているとき、その曲面で切り貼りなおすと新たな絡み目が構成される。21年度ではこの切り貼りに表現の体積の公式を適用することで二つの絡み目の対応するデーン手術の体積が一致することを示すことができた。この結果はもともとRubermanが4点穴あき球面のときに示していたことの類似である。しかし方法はまったく異なり、さらに4点穴あき球面の場合で排除されていた場合にも双曲体積を用いることで示すことができた。 22年度ではより一般の対称性のある曲面、例えば1点穴あきトーラスや種数2の閉曲面など、による切り貼りによっても双曲体積が保たれることを示した。この切り貼りによる操作はミューテーションと呼ばれ多くの不変量が保たれる。これは直接双曲構造の切り貼りを行う代わりに、擬展開写像という基本群のPSL(2,C)表現に対して構成することのできる多様体の普遍被覆から3次元双曲空間への写像を切り貼りすることによって得られる。擬展開写像を扱うことによって直接双曲構造を扱うのではなく理想頂点のみを扱えばよいことがこの方法のメリットである。
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Research Products
(1 results)