2009 Fiscal Year Annual Research Report
宿主の抗EBV戦略における新規アダプター分子STAP-2の機能解析
Project/Area Number |
08J01963
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 収 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | EBV / LMP1 / NF-κB / BS69 / STAP-2 / TRADD / TRAF3 |
Research Abstract |
申請者らはすでにEBV遺伝子産物LMP1によるNF-κB活性化をSTAP-2が抑制すること及びその抑制メカニズムを明らかにしている。本年度はその研究の過程で新たにLMP1/NF-κBシグナル活性化制御を担う核タンパク質BS69を見出し、その機能解析を行うべく、以下の項目の研究を中心に進めた。 1.LMP1/NF-κBシグナルにおけるBS69の機能解析 BS69がLMP1によるNF-κB活性化に関与するか否かを検討するため,HeLa細胞を用いてNF-κB-Lucを用いたレポーター遺伝子アッセイを行った.その結果,LMP1によるNF-κBの転写活性化がBS69の発現量依存的に抑制された。さらにBS69ノックダウンによりLMP1によるNF-κBの転写活性化が有意に増強した。以上の結果より、BS69はLMPによるNF-κB活性化を抑制していることを明らかにした。 2.CTAR1/NF-κBシグナル抑制メカニズムの解析 CTAR1下流でBS69がLMP1によるNF-κB活性化シグナルを負に制御することを明らかにした。また、その抑制メカニズムとしてBS69とTRAF3が協調的に作用していることを明らかにした。 3.CTAR2/NF-κBシグナル抑制メカニズムの解析 CTAR2下流シグナル伝達分子TRADDのノックダウンによりLMP1によるNF-κB活性化が減弱したことから、CTAR2下流でのNF-κB活性化調節にはTRADDの関与が考えられた。そこで、BS69との相互作用解析を行った。その結果、LMP1との結合において、BS69がTRADDと競合することにより、LMP1によるNF-κB活性化を抑制することを明らかにした。
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