2008 Fiscal Year Annual Research Report
雑音を活用して脳型情報処理を行なう低消費電力アナログ機能LSIの開拓
Project/Area Number |
08J01973
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宇田川 玲 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 集積回路 |
Research Abstract |
近年LSIの微細化により、LSI内部の配線による信号遅延が問題となっている。クロック信号はチップ全体に遅延なく同時に分配されなければならないため特に問題である。この問題の解決のためこれまで様々な方法が提案されてきたが、それらは製造コストや後工程の増大の要因となる。本研究では、脳の情報処理の方法を応用した新しいクロック信号の分配手法を提案する。近年の研究から脳の情報処理を行なう基本素子であるニューロンは、素子の間に相互結合を持たない状態で一様に雑音を受けると同期するという事がわかっている。ここでニューロンをクロック源に見立てチップ内部に分散配置し、その上で雑音を加えるとそれらを同期させることができるため、クロック遅延の問題を解決できると考えられる。 私はこれまでCMOSプロセスに適したニューロン回路と雑音源を設計し、その上で回路シミュレーションおよび電子回路実験を行なってきた。その結果から、ニューロン回路群に雑音源から雑音を一様に加えることで、ニューロン回路群の出力が同期することを確認することができた。さらにニューロン回路群にわずかな特性バラツキが存在していても、それぞれのニューロン回路の中心周波数のピークはノイズを加えることで一致することがわかった。これらの成果を学術論文1件、国内学会3件にて発表した。
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Research Products
(12 results)