2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01983
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 博康 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 形状記憶合金 / 超弾性 / マルテンサイト変態 / 単結晶 |
Research Abstract |
本研究では、Pd-In基形状記憶合金をステント、ガイドワイヤー等の医療デバイスとして応用することを最終目的としている。Pd-In基合金は優れた生体適合性を有するだけでなく、高比重なため高いX線造影性が期待できる。 前年度では本合金系の単結晶を作製し、超弾性特性を評価したが、今年度では単結晶を作製するに当たり非常に重要な要素となる液相線及び固相線温度を詳細に調査し、そこから求められた平衡分配係数から最適な単結晶作製速度を予測した。 また、本合金系の相安定性に関するデータを取得する必要があるため、相平衡状態図の決定を行った。現状ではPd-In二元系状態図においても一部の相で結晶構造が不明であるため、それらの相の調査も行った。X線回折及びTEM観察により、βInPd_3相はL1_0構造を有することが明らかとなった。さらに第三元素を添加したPd-In-Fe三元系において、β相内のMs点を調査した結果、1at.%Feに対し約55℃、1at.%Inに対し約230℃それぞれ低下し、マルテンサイト変態温度は特にIn濃度の影響を強く受けることがわかった。さらに、1000℃及び1100℃においてL1_2相が確認され、これはFe-Pd二元系合金におけるFePd_3相がIn添加により高温で安定化したと考えられる。
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Research Products
(4 results)