2008 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療への応用を目指したアデノウイルスベクターによるES細胞の分化制御
Project/Area Number |
08J01994
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田代 克久 Osaka University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ES細胞 / アデノウイルスペクター / 再生医療 / 遺伝子導入 / 脂肪細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
胚性幹ES細胞や体性幹細胞等の幹細胞は多分化能と自己複製能を有しているため、再生医療への応用が期待されている。幹細胞を用いて医療へ応用するには、幹細胞から目的の細胞への効率の良い分化誘導法の確立が必須であり、その一手段として幹細胞へ分化関連遺伝子を導入することが考えられる。そこで本研究では、アデノウイルス(Ad)ベクターを用いた各幹細胞へ高効率遺伝子導入法の開発、及びその遺伝子導入法を用いた幹細胞から目的細胞への高効率分化誘導法の開発を目指し研究を行った。これまでに我々の研究室では、マウスES細胞へ効率良く外来遺伝子を導入可能なAdベクターの開発に成功しており、さらに本研究では、Adベクターを用いることによりマウスES細胞を分化させる際に形成させる胚様体(Embryoid body:EB)への高効率遺伝子導入法の確立に成功した。また、その遺伝子導入法を用いてそれぞれ脂肪細胞分化または骨芽細胞分化に必須のPPARγ遺伝子、Runx2遺伝子をEBに導入し、脂肪細胞ならびに骨芽細胞への分化誘導を行ったところ、従来報告されている分化誘導法よりも極めて効率良く脂肪細胞、骨芽細胞へ分化誘導することに成功した。以上の結果から、Adベクターを用いた高効率遺伝子導入法は、Es細胞を用いた細胞分化研究に有用なツールとなるだけでなく、再生医療応用への基盤技術となることが示唆された。現在、この遺伝子導入法がマウスES細胞からその他の細胞種への分化誘導法へ応用可能か否か、そしてヒトES細胞やマウス及びヒト人工多能性幹(iPS)細胞へ応用できるかどうかを検討中である。
|
Research Products
(7 results)