2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン伝導性酸化物を利用した新しいタイプの燃料電池開発のための基礎研究
Project/Area Number |
08J02005
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今宿 晋 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | バリウムジルコネート / 3価の金属元素 / 結晶粒界抵 / 交流2端子法 / 直流4端子法 / プロトン伝導度 / 混合ドープ / 2相分離 |
Research Abstract |
3価の金属元素をドープしたバリウムジルコネート(BaZrO_3)は、加湿雰囲気で、比較的高いプロトン伝導度(〜10^<-3>Scm^<-1>)を示す。また、燃料電池の反応生成物であるCO_2およびH_2Oに対して安定であることから、中温(600℃程度)型燃料電池の電解質への応用が期待されている。しかしながら、3価の金属元素をドープしたBaZrO_3は結晶粒界抵抗が大きいということが報告されている。BaZrO_3の結晶粒界抵抗の多くは交流2端子法により測定されており、この測定法では結晶粒界抵抗と結晶粒内抵抗を分離して求めることができる。しかし、BaZrO_3においては、結晶粒界抵抗と結晶粒内抵抗の区別が簡単ではなく、過去の報告でも多くの間違いがあるため、結晶粒界抵抗を正しく測定する方法を確立する必要がある。そこで、まず基礎的な研究として、結晶粒界抵抗を正しく測定する方法を確立した。その後、BaZrO_3の結晶粒界抵抗を低減する研究を行った。申請書にも記載したように、これまでの報告ではイットリウム(Y)をドープをしたBaZrO_3のプロトン伝導度が最も高いと報告されているが、スカンジウム(Sc)とYを混合ドープすることで、BaZrO_3の結晶粒界抵抗を低減することができることがこれまでの研究でわかっている。そこで、更なる結晶粒界抵抗の低減を目指して、YとSc以外の3価の金属元素を混合ドープすることを考えた。結果、交流2端子測定で得られるBaZrO_3のインピーダンススペクトルの円弧の解釈を、直流4端子測定の結果と併せて検討した結果、結晶粒内、結晶粒界および電極による円弧を特定する方法を確立した。また、BaZrO_3の結晶粒界抵抗の低減を目指して、Yと3価の金属元素を混合ドープしたところ、ScとYを混合ドープした試料が最も結晶粒界抵抗が小さく、2相分離しない試料が結晶粒界抵抗が最も低いことがわかった。
|
Research Products
(4 results)