2008 Fiscal Year Annual Research Report
Generic構造における超準的手法と、その安定性理論への応用の研究
Project/Area Number |
08J02012
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安保 勇希 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 数理論理学 / モデル理論 / 安定性理論 / 単純性理論 / Generic構造 / 超準解析 / Non-elementary class / Robinson theory |
Research Abstract |
1、超準的手法のgeneric構造の研究への応用 Genericな構成法とは、E.Hrushovskiによって編み出された、有限構造の貼り合わせで無限構造を作る構成法である。Genericな構成法で作られた構造のことをgeneric構造と呼ぶ。超準解析とは、実数体の拡大になっていて、かつ無限小や無限大を具体的に元として含む体(実数体の超準モデル)を構成し、実数の中での解析をその超準モデルを介して行う分野である。私は以前から行ってきた、generic構造に超準的手法を応用する研究を、今年度、以下の2つの点で改良した。(1)有限閉包性をもつとは限らない場合のgeneric構造に対しても、超準的手法が応用できるようにした。(2)Generic構造における局所次元関数に対しても超準的な扱いができるようにした。これらの改良によって、generic構造において、次元関数を用いて定義する独立性と局所次元関数を用いて定義する独立性か同値であるというVerbovskiy-Yonedaの定理に、より簡潔な証明を与えた。 2、Quasi-substructureで閉じているクラスのgeneric構造の安定性の強さの研究 法政大学の池田宏一郎氏と昨年度から行っていた共同研究で、quasi-substructureで閉じているクラスのgeneric構造についてはsuperstableなgeneric構造は存在しないといことを証明した。 3、Non-elementary classでの独立性の研究 Elementary classにおいてB.Kimは以下の4条件が同値であることを示した:(1)forkingがlocal characterをみたす。(2)forkingがsymmetryをみたす。(3)forkingがtransitivityをみたす。(4)dividingと任意のMorley列によるdividingが同値になる。私は、Hrushovskiが定義したRobinson theoryのexistentially closed model全体のクラス(non-elementary classの例)においてKimの定理を証明した。
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Research Products
(1 results)