2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上における高移動度シリコンゲルマニウムの創製と薄膜デバイスの超高速化
Project/Area Number |
08J02015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
都甲 薫 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シリコンゲルマニウム / 薄膜トランジスタ / 方位制御 / ヘテロエピタキシャル成長 |
Research Abstract |
ユビキタス情報社会の構築のため、集積回路(ULSI)をディスプレイ部に搭載した超高性能・多機能ディスプレイの実現が強く求められている。超高性能・多機能ディスプレイの実現には、透明基板(ガラス、石英等)上に形成する薄膜トランジスタ(TFT)の動作を高速化する必要がある。採択者は「触媒金属局所導入法」を開発し、絶縁膜上におけるSiGe(Ge濃度:0-100%)結晶薄膜の方位制御を検討してきた。しかし、Ge濃度30%以上のSiGeにおいて方位制御が困難化するとの現象に遭遇した。 本年度は、Ge濃度増加に伴う方位ばらつき現象をGe濃度の関数として包括的に纏め、成長機構の詳細な観測を行った。その結果、現象の機構を解明すると共に、成長温度を低温化することでGe濃度50%のSiGeの結晶方位制御に成功した。しかし、Ge高濃度側(>50%)のSiGeの方位制御を固相成長で実現することは、原理的に困難であると判明した。そこで、本手法を液相成長に展開すると共に、SiGeよりも移動度の高いGeに焦点を絞り、研究を遂行した。 絶縁膜上におけるGe結晶薄膜の方位制御を目指し、「触媒金属局所導入法」により形成したSi単結晶粒(方位:(111)面)を種とした、Geの液相ヘテロエピタキシャル成長を検討した。その結果、Si種結晶と同じ結晶方位を有する(111)面に方位制御された大粒径(^-10μm)単結晶Geの形成を実現した。顕微ラマン分光法を用いて評価したところ、Ge-Geピークの半値幅(^-3.2cm^<-1>)は単結晶Geと同等であり、成長層の結晶性は極めて良好であることが判った。一方、ラマンピーク位置の解析から、Ge成長領域には移動度向上を促す伸張歪(^-0.3%)が発生していることも判明した。絶縁膜上における単結晶歪Geの創製であり、デバイス応用が期待される結果である。今後、超高移動度の実証を目指し、研究を推進する。
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Research Products
(8 results)