2008 Fiscal Year Annual Research Report
低温誘導性NTR-Cの機能解明に基づく耐凍性植物の作出
Project/Area Number |
08J02023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
町田 豪 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Chlorella vulgaris / 耐凍性 / 低温誘導性遺伝子 / 葉緑体局存NADPH依存型チオレドキシン還元酵素 / 2-Cys型ペルオキシレドキシン / CvNTRC / CvPrx抗酸化系 |
Research Abstract |
本研究では,低温処理により耐凍性を獲得する単細胞緑藻クロレラ(Chlorella vulgaris C-27)を研究材料とし,クロレラ低温誘導性遺伝子産物である葉緑体局在NADPH依存型チオレドキシン還元酵素(CvNTRC)の耐凍性獲得への機能解明ならびに,CvNTRC遺伝子とその他耐凍性関連遺伝子の高等植物同時発現による耐凍性植物の作出を目的とした。平成20年度の研究として,(1)CvNTRCの低温条件下での発現挙動解明,(2)CvNTRCと協同して過酸化物分解に機能する2-Cys型ペルオキシレドキシン(2-Cys Prx)の同定を行った。 (1)CvNTRCの低温条件下での発現挙動 Northern blot analysisの結果,CvNTRC遺伝子の転写量は低温処理24時間にかけて顕著に増加した。大腸菌組換えCvNTRC蛋白質を抗原として作製した抗CvNTRC抗体を用いてWestern blot analysisを行った結果,CvNTRC蛋白質量は低温処理直後に減少し,その後低温処理24時間まで増加した。また,他のNTRアイソザイムを含むクロレラの総NTR活性は,低温処理中に蛋白質量と同様の変化を見せた。以上の結果から,CvNTRCは,耐凍性獲得時に機能するためにその転写量を増加させ、低温により分解、変性した蛋白質量ならびに活性を一定に保っていることを見出した。 (2)CvNTRCと協同して過酸化物分解に機能する2-Cys Prxの同定 大腸菌組換えCvNTRCを固定化したカラムを用いたin vitro pull-down assayにより,クロレラ粗酵素液中からCvNTRCと複合体を形成する21.2kDaの蛋白質を精製した。そのN末端配列は,東京農業大学新村研究室で単離されたクロレラ2-Cys Prx遺伝子(CvPrx)の推定アミノ酸配列の一部と完全に一致した。当該研究室よりCvPrx発現大腸菌の分与を受け,大腸菌組換えCvNTRCとCvPrx蛋白質を調製し,in vitroでの再構成系実験を用いて過酸化物分解活性を測定した。その活性は両蛋白質存在下で顕著であり,CvNTRC/CvPrx抗酸化系が同定された。以上本年度の成果により,植物のNTRC/Prx抗酸化系が耐凍性に機能する可能性を初めて見出した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
Takeshi Machida
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Journal Title
The Recent Status and Perspectives of Food System, Agricultural Environment and Biology in 2008(Publication Center of Chungnum National University)
Pages: 340-351
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