2008 Fiscal Year Annual Research Report
リー環とその自己同型から構成される拡大アフィンリー環の表現論の研究
Project/Area Number |
08J02045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
直井 克之 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 拡大アフィンリー環 / トロイダルリー環 |
Research Abstract |
アフィンリー環でない拡大アフィンリー環の最も典型的な例がトロイダルリー環である。トロイダルリー環の表現論に関する結果は、研究課題としている自己同型を用いて構成される拡大アフィンリー環を調べるにあたって特に役に立つと考えられる。なぜならば、これらのリー環は自然にトロイダルリー環の部分環として実現できるからである。 トロイダルリー環とアフィンリー環の表現論の大きな違いとして、可積分最高weight表現が完全可約とならないことがあげられる。よってそのような表現についてより深く調べる必要がある。その中でもある種の普遍性をもつものとしてWeyl加群と呼ばれるものがとくに重要である。私は、Weyl加群のなかに頂点代数と呼ばれる代数構造をもつものがあることを見出した。頂点代数は強い対称性をその構造の中に持っているため、この事実からWeyl加群の様々な性質が導かれることが期待される。また、頂点代数にも加群という概念が存在するが、Weyl加群を頂点代数と思ったときの加群は、トロイダルリー環の可積分最高weight表現と強い関連があることも分かってきた。 トロイダルリー環の既約でない加群に関する結果はこれまでほとんどない。その意味で上の研究は非常に意義があるということができる。トロイダルリー環における結果の多くは拡大アフィンリー環においても同様に成り立つはずであるので、今までほとんど知られていなかった拡大アフィンリー環の表現の構造についても何らかの結果が得られることを期待している。
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Research Products
(2 results)