2009 Fiscal Year Annual Research Report
層状ケイ酸塩-非イオン性有機分子複合体の合成と新規ナノ材料への変換
Project/Area Number |
08J02067
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 信行 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 層状ケイ酸塩 / インターカレーション / 無機-機複合体 / ナノシート / シリル化反応 / イオン液体 / メソポーラスシリカ |
Research Abstract |
1.非イオン性界面活性剤による層状ケイ酸塩由来四角孔メソポーラスシリカの細孔制御 結晶性の層状ケイ酸塩を出発物質に用い、非イオン性界面活性剤の添加によりメソポーラスシリカKSW-2の細孔径の制御を行なっている。前年度までにシリカの壁と界面活性剤の鋳型との複合体で構造制御に成功していた。本年度において、鋳型の除去によるメソポーラスシリカ材料への変換とその詳細な分析を行なった。細孔径は0.1nm単位で精密に制御できた。この成果は国際誌に投稿済み(2010年4月)である。 2.層状ケイ酸塩とイオン液体の複合材料の合成 層状ケイ酸塩を出発物質としたナノシートの合成を目指して層状ケイ酸塩とイオン液体の複合化を行った。具体的には層状ケイ酸塩の層表面にイオン液体を共有結合で固定化し、新規無機-有機層状複合体を合成した。得られた層状複合体は水中で撹拌するだけで層を剥離することができ、厚さ2nmの単層のシリカナノシートが得られた。さらにこの剥離性を利用して基板上への成膜や自立膜の作成にも成功した。層状ケイ酸塩の剥離および薄膜化は本系が世界初の報告となる。本研究の成果は層状物質分野の国際学会(International Clay Conference)だけでなくイオン液体の国際学会(Congress on Ionic Liquids)の両方で発表した。これらの成果を踏まえて日本化学会関東支部大会にて優秀ポスター賞を受賞した。
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Research Products
(6 results)