2009 Fiscal Year Annual Research Report
LSIの高性能化を目的としてシリコン基板に導入された結晶歪の精密測定に関する研究
Project/Area Number |
08J02068
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小瀬村 大亮 Meiji University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 歪Si / 応力 / UVラマン分光法 / 応力印加膜 |
Research Abstract |
一作年度の結果よりSiN膜による応力導入はトランジスタの構造不連続点で顕著となり、構造に大きく影響を受けることが明らかとなった。さらにSi基板上のラインアンドスペース(L&S)SiN膜におけるスペース領域が狭くなると、不連続点で導入された応力が重畳されることを見た。この結果は電気特性のゲート長依存性(ゲートが短くなるにつれ駆動電流量が増大する)を良く説明する。本年度ではさらに実デバイスに近い構造を有した試料の応力をUVラマン分光法により評価した。ゲート材料は多結晶Siあるいは金属を用いるので、試料直上から励起光を照射する配置では測定することができない。本研究では、励起光に対して透明な材料(ダミーゲート:SiO_2膜)で代用することにより、トランジスタのチャネル領域に対応するSi内応力分布の評価を可能とした。昨年度の結果と比較すると、(1)印加応力が減少、(2)応力分布が変化した。印加応力が減少した原因はダミーゲートを挿入したことが考えられる。つまり、L&SパターンSiN膜と比べ構造状の不連続が緩和したと考えられる。次に、(2)の結果を考察するために有限要素法(FEM)による応力解析を行った結果、リセス構造に因ることが明らかとなった。さらに、リセス高さを15nmから30nmに変化させると、印加応力が増大した。これはSiN膜の実行的な膜厚が増大したことが原因と考えられる。トランジスタのチャネル領域の形状は応力導入に大きく影響を受けることが明らかとなった。応力導入の観点からチャネル形状も含めたデザインが必要不可欠である。その他に、高性能p型トランジスタ(ソニー(株)との共同研究)のチャネル内応力分布を、断面UVラマン測定(チャネル断面から励起光を入射する手法)により明らかにした。
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Research Products
(18 results)