2008 Fiscal Year Annual Research Report
希土類元素化合物における多極子秩序の検証とその機構の解明
Project/Area Number |
08J02098
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
正木 了 Kobe University, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 核磁気共鳴 / 核四重極共鳴 / スクッテルダイト / Fe系超伝導体 / 多極子秩序 |
Research Abstract |
(1)SmRu_4P_<12>は16KでMI転移とともに異常な相転移現象を示すことが報告され、その背後に軌道(多極子)の秩序が絡んでいることが示唆されている。2007年に^<101>Ru-NQR信号を検出し、結晶構造の空間群が転移点を境に立方晶のIm-3から三方晶のR-3に変化していることを明らかにしたが、これに加え、本年度は単結晶試料を用いたP核NMRの精密測定の相補的研究をおこなった。磁場を結晶[111]方向に印加して単結晶試料のP-NMRの角度分解NMRを行ったところ、磁場誘起モーメントの検出に成功した。 (2)Ru-NQRの特性を活用して、Re=La,Pr,Ndについて実験研究を行ってきました。特に強磁性秩序を示すと考えられているNdRu_4P_<12>においてP核とRu核のNMR/NQR測定を行い、NMR・NQRスペクトルと核スピン格子緩和時間の結果からNdの4f電子が局在性を示し、Nd間で強磁性的相関と反強磁性的相関の存在を示唆する結果を得た。この両者の相関とネスティングの性質がMI転移に密接に関係している可能性を提案し、アメリカ物理学会誌、Physical Review Bに報告しました。 (3)2元系FeSe超伝導体のSe-NMRを常圧・高圧下で行った。常圧下のSe-NMRでは、転移温度以下で緩和率がT^3を示すことが明らかとなり、非BCS超伝導であることを明らかにしまし、Journal of Physical Society of Japanに報告した。
|
Research Products
(9 results)