2009 Fiscal Year Annual Research Report
金・銀ナノ粒子の複合化によるプラズモン共鳴の制御と応用
Project/Area Number |
08J02126
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒川 太地 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究院(DC2)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / プラズモン / 光電流 / ポルフィリン |
Research Abstract |
当該年度は、金・銀ナノ粒子の複合化による新規プラズモニックデバイスの創製を目指し、静電交互吸着法を用いて金・銀ナノ粒子ハイブリッド膜の作製を行いました。次いで、作製したハイブリッド膜が色素分子の光特性、ならびに光電気化学特性に与える効果について検討しました。 まず、荷電ポリマーでコートしたindium-tin-oxide(ITO)電極を、金ナノ粒子と銀ナノ粒子から成る異種金属混合コロイド溶液に浸漬し、金・銀ナノ粒子ハイブリッド膜を作製しました。作製した膜の構造は、吸収測定、SEM観察、ESCA測定により評価しました。混合コロイド溶液中の金コロイド溶液と銀コロイド溶液の量比を変化させると、基板上に吸着する金ナノ粒子と銀ナノ粒子の量比も変化しました。また本手法は、異種金属ナノ粒子を高密度に、2次元的に集積できる手法であることが分かりました。次いで、異種金属ナノ粒子ハイブリッド膜にポルフィリン分子をスピンコートし、異種金属ナノ粒子-ポルフィリン複合膜を作製しました。金ナノ粒子と銀ナノ粒子の量比を変化させることで、ポルフィリン1分子当たりの光電気化学応答を制御可能でした。蛍光・励起測定や、色素分子としてローダミン6G分子を用いたSERS測定においても同様の結果を示し、異種金属ナノ粒子ハイブリッド膜が色素分子の光特性、ならびに光電気化学特性を制御できる基板として機能することが分かりました。 本研究で示した成果から、ボトムアップ手法を用いることで、2次元的にヘテロな構造を有する金・銀ナノ粒子ハイブリッド膜が作製可能であり、作製した膜は光電変換素子の構成要素として有用であることが分かりました。また、本手法は、各金属ナノ粒子の量比、サイズ、吸着量、形状を自在に制御できる利点を有しているため、オーダーメイドな新規光電変換素子の構築に向けて大きな可能性を有していると考えられます。
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Research Products
(3 results)