2008 Fiscal Year Annual Research Report
高速かつ正確なメモリ・アーキテクチャ評価手法に関する研究
Project/Area Number |
08J02144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 貴継 Kyushu University, システム情報科学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コンピュータ・アーキテクチャ / キヤッシュ・メモリ / シミュレーション |
Research Abstract |
初年度の計画では,同一プログラムにおいて複数存在する入力データのうち,どの入力データを選択することで効率的な評価が実現できるかを明らかにすることを目標にした.これを示すためには,ある評価指標(ここではキャッシュ・メモリを対象とすることからその性能を示すキャッシュ・ミス率)が分かれば良い.なぜなら,キャッシュ・ミス率が類似していれば,その入力データを用いた場合は冗長な評価と判断できるからである. 同一プログラムに異なるデータを用いて実行した場合,プログラム構造によっては,類似するメモリアクセスの特徴を有する区間が繰り返し実行される可能性が高い.そこで,メモリアクセスの特徴に基づき,シミュレーション結果を再利用することによりキャッシュ・ミス率を予測する技術を提案した.本手法はまず,ある入力データを対象にメモリアクセスの特徴を抽出するとともに,複数のキャッシュメモリ・アーキテクチャを対象としてキャッシュ・ミス率の測定を行う.このとき得られたメモリアクセスの特徴とミス率からデータベースを生成する.つぎに,異なる入力データを対象にメモリアクセスの特徴抽出を実施し,データベースに登録されたメモリアクセスの特徴と比較することで異なる入力データを実行した際のキャッシュ・ミス率を予測する.本手法の特徴は,一度メモリアクセスの特徴比較によって,データベースに登録されたすべてのキャッシュメモリ・アーキテクチャにおけるミス率を高速に予測可能な点である.本手法を定量的に評価した結果,詳細キャッシュメモリ・シミュレウーションにより得られたミス率と比較して,その予測誤差は多くのベンチマーク・プログラムにおいて1ポイント以下であった.加えてシミュレーション対象のキャッシュメモリ・アーキテクチャおよびプログラムの入力データの増加に伴い,本手法に更なる優位性があることを確認した.
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Research Products
(4 results)