2008 Fiscal Year Annual Research Report
土壌水分計付貫入計を用いた表層崩壊危険度評価手法の確立
Project/Area Number |
08J02151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山川 陽祐 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 土壌水分計付貫入計(CPMP) / 表層崩壊 / 水文特性 / 貫入抵抗 |
Research Abstract |
本年度は,土壌水分計付貫入計(CPMP)の計測性能の検証(交付申請書記載の課題(1))を行った。滋賀県田上山系の桐生水文試験地内の斜面脚部において,CPMPによる貫入抵抗と水分分布の鉛直分布計測,および観測井戸による地下水面位置の計測を行った。大半の観測地点において,CPMPによって検出された体積含水率が急激に上昇する深度と実測の地下水面深度が非常に良好に対応した。この結果は,山腹斜面においてCPMPを用いて迅速かつ高精度に地下水面形状の把握を行うことができる可能性を示すものである。また,同斜面においてCPMPによる貫入抵抗と水分分布の鉛直分布計測,およびトレンチ断面の掘削による土層構造の調査を行った。CPMPによって検出された,体積含水率が周囲に比べて高い層と低い層が,トレンチの断面観察および土質分析によってそれぞれ粘土質層と礫質層に対応していることが示された。この結果は,山腹斜面においてCPMPを用いて非破壊で土層構造を捉えることができる可能性を示すものであり,CPMPによる計測が既往の貫入試験による調査では捉えることが出来なかった土層構造の情報を供することを示す。滋賀県田上山系の不動寺水文試験地内の谷壁斜面脚部において,CPMPによる貫入抵抗と水分分布の鉛直分布計測を降雨の前後で行った。同じ地点における降雨前後での体積含水率と貫入抵抗値の相関より,体積含水率の増加が0.15(cm3/cm3)以上の際,貫入抵抗値が減少することが示された。この結果は,実際の山腹斜面における降雨時の土質強度を推定する上で非常に重要な情報を供するものである。
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[Presentation] 土壌水分計付貫入計, 比抵抗映像法, 地中レーダーの現場斜面への適用と比較2008
Author(s)
山川陽祐, 正岡直也, 小杉賢一朗, 水山高久, 多田泰之, 岩村尚樹, 田中謙次, 野村成宏, 青野健治
Organizer
平成20年度砂防学会研究発表会
Place of Presentation
北海道立道民活動センター
Year and Date
2008-05-15