2008 Fiscal Year Annual Research Report
高信頼熱防御システム開発に向けた壁面触媒性に関する研究
Project/Area Number |
08J02159
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大澤 弘始 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 壁面触媒性 / 熱防御システム / 高温気体力学 / 誘導結合プラズマ |
Research Abstract |
触媒性メカニズムの解明について実験および数値解析の両面からの解明を試みている。実験は宇宙航空研究開発機構研空開発本部の素過程装置を用いて行った。素過程装置は高周波エネルギーを気流に投入することにより高温プラズマを生成することができ、本研究ではこの高温プラズマを使用して発光分光計測を行い、供試体周囲の化学種数密度分布を計測した。 平成20年度は窒素原子の触媒性再結合確率の高精度評価を狙い、将来再使用型宇宙往還機の熱防御システム材としての使用が想定されている低触媒な炭化ケイ素(SiC)と高触媒性材として知られる銅(Cu)における窒素原子触媒性再結合確率の評価を試みた。SiCおよびCu供試体は素過程装置チャンバー内中央部に設置される。供試体が気流中に入ることで供試体法線方向の化学種数密度空間分布が変化するため、その変化分を発光分光計測によって評価することにより窒素原子触媒性再結合確率を評価することができる。また素過程装置内部流れ場を解析するための数値解析を行った。実験および数値解析により求められた発光強度比の減少勾配を比較することにより窒素原子の触媒性再結合確率を評価した。このようなアプローチにより以下のことがわかった。まず、得られた発光スペクトルから素過程装置内部の流れ場は著しい熱非平衡状態にあることがわかった。並進・回転温度はほぼ常温であるのに対して、振動・電子励起・電子温度は10,000K程度の高温状態にある。この結果から2温度モデルを組み込んだ素過程装置内部流れ場解析コードを開発した。また実験結果および数値解析結果の比較より、SiCの窒素原子触媒性再結合確率はCuのそれより小さいことが確認された。そして、Cuの触媒性再結合確率は0.1より大きいことがわかった。
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Research Products
(3 results)