2009 Fiscal Year Annual Research Report
高信頼熱防御システム開発に向けた壁面触媒性に関する研究
Project/Area Number |
08J02159
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大澤 弘始 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 壁面触媒性 / 熱防御システム / 高温気体力学 / 誘導結合プラズマ |
Research Abstract |
酸素原子の触媒効率計測のための実験および数値解析を行った。実験は宇宙航空研究開発機構研究開発本部の触媒性計測装置を用いて行った。触媒性計測装置は高周波電流を気流に投入することにより高温プラズマを生成することができる実験装置である。本研究ではこの高温プラズマを耐熱材などの供試体にさらすことで変化する化学種の数密度を発光分光法によって計測し、その結果を用いて酸素原子の触媒効率を評価した。 平成21年度は触媒性計測装置内部の高温プラズマ気流の分光診断を行い、酸素原子の触媒効率を高精度に求めるにはどのような計測方法が適しているのかを判断するための実験を行った。従来では供試体中心軸に沿った方向のみ発光スペクトルを取得し、その結果から酸素原子の触媒効率を評価していたのだが、その結果の妥当性検証が不足したため、供試体表面に対して半径方向の発光スペクトルも取得する試験を実施した。その半径方向に対して外側の石英管周辺に発光強度が強い場所が存在することが分かった。つまりは一般に発光分光試験では中心軸に焦点を合わせたとしても半径方向に積分された光を拾ってしまうため、積分値と本当に計測したい中心軸の発光強度の空間分布が相似を成さないということが分かった。したがって、酸素原子の触媒効率を正確に評価するためには供試体中心軸に沿った方向の発光スペクトルを取得するだけでなく、半径方向のそれも取得し、逆アーベル変換という手法を用いて中心軸に沿った方向の発光強度の空間分布を抽出する必要があるという結論に至った。 以上の結果を踏まえて酸素原子の触媒効率を再評価したみたところ、従来の積分値の空間分布を用いて評価した酸素原子触媒効率に対して少し大きくなることが分かった。
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Research Products
(4 results)