2009 Fiscal Year Annual Research Report
サブナノメートル計測のためのXYZ3軸変位センサに関する研究
Project/Area Number |
08J02165
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 彰秀 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 多軸変位計測 / 光学式変位センサ / 回折格子 |
Research Abstract |
本研究は,多軸位置決めステージの運動誤差評価及びフィードバック制御を実現するために,「XY方向に長い測定範囲を持ち」,「XYZ各軸に対してサブnmレベルの位置検出分解能を持つ」3軸変位一括計測型センサを開発することを目標にしている.提案するセンサでは,微細周期形状を持つスケールからの回折光をセンサヘッド内の参照用格子からの回折光と干渉させ,干渉信号からXYZ3軸の変位を求める.本年度は,XY方向測定範囲の拡大を実現するための大面積スケールの製作と,XYZ3軸に関してサブnmレベルの位置検出分解能を達成するためのセンサヘッドの開発に取り組んだ. 大面積スケールの製作については,2光波干渉を用いた光リソグラフィー加工を採用することにより,最大100mm×100mmの領域に渡り1μmピッチの微細格子を加工することに成功した.また,スケール全面からの回折光波面の情報から格子形状誤差を評価し,センサ計測誤差の補正マップを導出した. センサヘッドについては,1μmピッチの微細格子に対応する3軸変位検出用の光学系を設計・試作した.1μmピッチの微細格子から生じる回折光の拡がりを抑える透過型格子をセンサヘッド内に配置することで,50mm×70mm×40mmの小型センサヘッドを設計できた.実験の結果,XYZ3軸の変位を1nmより高い分解能で検出できることを確認した.また,干渉信号の電気的及びソフトウェア的な補正と,先に求めたセンサ計測誤差の補正マップを用いることで,スケールが面内運動する際に生じる変位計測誤差を±50nm以内まで低減できた. 以上のように,本研究ではXY方向に100mmの測定範囲を有し,サブnmレベルの高い分解能を持つ小型3軸変位センサを開発した.多軸変位検出の新たなアプローチを提案した点で,本研究成果のインパクトは非常に大きいと言える.
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Research Products
(9 results)