2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブナノメートル計測のためのXYZ3軸変位センサに関する研究
Project/Area Number |
08J02165
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 彰秀 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 多軸変位計測 / 光学式変位センサ / 回折格子 |
Research Abstract |
本研究は,様々な基板産業に必須であるXYZ3軸高精度位置決めシステムを実現するために,「XY方向に長い測定範囲を持ち」,「XYZ各軸に対してサブnmレベルの位置検出分解能を持つ」3軸変位一括計測型センサの開発を目標にしている.提案するセンサは,微細周期形状を持つスケール用格子と,それと同じ形状を持つ参照用格子が搭載されたセンサ部から構成され,2枚の格子からの回折光の干渉信号からXYZ3軸の変位を求めることができる.本年度は,これまでに開発したプロトタイプセンサに比べて「小型」で,且つ「短ピッチ格子に対応した」センサ光学系の開発を中心として,研究を進めてきた. 具体的には,光学素子をできる限り集積化すると同時に,直角プリズムを用いて短ピッチ格子からの回折光を屈折させることで,「小型化」と「格子の短ピッチ化」を両立できるセンサ光学系を試作した.試作したセンサにおいては,そのサイズを50mm×50mm×30mm(プロトタイプセンサの1/4のサイズ),格子ピッチを1.6μm(プロトタイプセンサの4/25のピッチ)で設計した. 試作したセンサの変位検出分解能を評価した結果,各軸に対してサブナノメートルレベルの分解能を有することを確認した.また,正弦波信号の内挿による変位検出誤差が±1%程度であること(市販のリニアエンコーダと同程度のレベル)も明らかにした.本成果は,特に本研究の最大の目標の1つであるサブナノメートルレベルの分解能を達成できたという点で,非常に大きな一歩であったと思われる.
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Research Products
(5 results)