2009 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫応答を制御する免疫受容体MAIR-IIの機能解明
Project/Area Number |
08J02169
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
戸塚 直也 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 敗血症 |
Research Abstract |
自然免疫応答は、感染防御機構の最前線で働き、さらに抗原特異的な獲得免疫応答を効率良く誘導する重要なシステムである。MAIR-II(CD300d)は、自然免疫応答で働く好中球、マクロファージ、樹状細胞に発現する受容体であるため、自然免疫応答の活性化制御に重要な役割を有していることが考えられる。本研究では、自然免疫応答の活性化制御機構におけるMAIR-IIの役割を解明することを目的として、MAIR-II遺伝子欠損マウスを作製し、感染症モデルについて検討した。 盲腸結紮穿孔法(CLP)による敗血症モデルを検討したところ、野生型マウスは全例生き残るのに対し、MAIR-II遺伝子欠損マウスでは、120~150時間以内に約80%のマウスが死亡し、生存率が低下するという結果を得た。さらに、MAIR-II遺伝子欠損マウスは、CLP実施後20時間において、野生型マウスに比べ、腹腔内のGr-1陽性、F4/80陽性細胞の数が低下し、腹腔内菌量が増加していた。 そこで、CLPの際、MAIR-II遺伝子欠損マウスに対し、野生型マウスの骨髄由来Gr-1陽性細胞を移入したところ、生存率が改善するという結果を得た。 これらのことから、MAIR-IIは、細菌感染の際、病原体排除に関わる重要な分子であることが示唆されるため、MAIR-IIの機能を人為的に作用させることで、治療の標的分子として期待できると考えられる。
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Research Products
(4 results)